初めて着物を着て出かけたとき、私が一番不安に思ったのは「トイレにどうやって行けばいいのか」でした。
普段の洋服なら何も考えずに済むことが、着物になると急に大きなハードルに感じてしまいます。実際に外出先でトイレに立ったとき、裾をどう持ち上げればいいのか、帯がずれたらどうすればいいいのか、と頭の中は大混乱。
慌てた結果、余計に着崩れてしまい「もっと準備しておけばよかった…」と後悔したのを今でも覚えています。
そんな経験をしてからは、着物でのトイレの仕方や失敗しないための工夫を少しずつ身につけました。
今回は、男女共通で役立つポイントを整理しながら、私が実際に体験して学んだことや、便利だったアイテムも交えて紹介します。
これを読めば、初めての人でも安心して着物で外出できるはずです。
着物でトイレに行くときの基本の仕方
着物を着ているときに多くの人が不安に思うのが「トイレの動作」です。
ですが、裾の扱い方と姿勢のポイントさえ覚えてしまえば、難しくありません。
着物の特徴とトイレの手順
男性の着物は丈が短めで帯の位置も低いため、動きやすいのが特徴です。
一方、女性の着物は丈が長く、帯も高い位置にあるため裾さばきに少し工夫が必要です。
どちらの場合も、帯をほどく必要はなく、裾だけを持ち上げて動作すれば大丈夫。
袂や裾が便器や床に触れて気になる場合は、帯の間に挟んで落ちてこないようにしましょう。
座るときに注意すべき裾の扱い方
洋式トイレでは、裾が便器に触れないように前でまとめてから腰を下ろすと安心です。
和式の場合はしゃがむ動作が必要になるので、両手で裾を腰の高さくらいまで持ち上げると汚れを防げます。
和式と洋式で違う動作のポイント
洋式は「裾を軽く持ち上げて座る」程度でよく、和式は「腰までしっかり裾を上げてしゃがむ」ことが大切です。この違いを知っておくだけで、着崩れや失敗を避けられます。
着崩れを防ぐためのコツ

帯や腰ひもを崩さないための姿勢
トイレではつい前かがみになりがちですが、それが帯や腰ひもをゆるめる原因になります。
背筋をまっすぐ意識して動くと、着崩れしにくくなります。
トイレ後に整えるチェックポイント
用を済ませたあとは、鏡で裾の長さが揃っているか、衿が乱れていないか、帯がずれていないかを確認すると安心です。
わずか数秒のチェックで、見た目の印象がぐっと整います。
よくある失敗と対策
初心者に多いのは、裾を高く持ちすぎて着丈が乱れることです。
持ち上げるのは必要最低限で大丈夫。持ち上げた裾は帯の間に挟むとずれにくくなります。
失敗を防ぐ工夫と便利アイテム

クリップの使い方で裾をまとめる方法
和装用のクリップがあるとさらに便利です。
裾を持ち上げたあとに帯に仮留めしておけば、両手が自由になり落ち着いて動けます。
ハンカチや和装小物で安心感をプラス
大判のハンカチを腰にかけるだけで、万が一裾が便器に触れるのを防げます。
外出時は必ず持っておくと安心です。
初心者がやりがちな失敗と予防策
裾を引きずって汚す、手元がふさがって慌てるなど、よくある失敗もあります。
ですが、クリップとハンカチを使えば簡単に防げます。
生理中や長時間の外出時の工夫
生理中に安心できる工夫
女性の場合、生理中に着物を着るときは濃い色や柄物を選ぶと安心です。
万が一、長襦袢や着物を汚してしまったときは、速やかにクリーニングに出しましょう。
トイレ回数を減らすためのちょっとした工夫
男女問わず、外出前にコーヒーや緑茶など利尿作用のある飲み物を控えると、トイレに立つ回数を減らせます。
長時間外出のときに持っておきたいもの
和装クリップ、大判ハンカチ、小さな鏡は必須アイテム。
女性の場合は生理用品や吸水ショーツを追加するとさらに安心です。
着物で外出するときの心構え
トイレに行く前の準備
外出前に鏡の前で裾を持ち上げる練習をしておくと、本番で慌てずに済みます。
外出先での簡単な着崩れ直し
衿がずれたときは軽く引き寄せ、帯は上から手のひらで押さえるだけで印象が整います。
初めて着物を着る人へ
多少の着崩れは自然なこと。完璧を目指しすぎず、便利グッズを取り入れて楽しむ気持ちを大切にしてください。
まとめ
着物でのトイレは、最初は不安でも正しい手順を知れば意外と簡単です。
男性も女性も、裾を上手に扱うことが最大のポイント。
さらに、和装クリップや大判ハンカチを持っておけば、安心感がぐっと高まります。
経験を重ねるほどに動作も自然になり、着物でのお出かけがもっと楽しくなるはずです。

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